「納富甚吉宛書簡」
久敷御面会も不申上御 障リも無之由大賀候、私昨
年ゟ中風病ニかゝリ、 兩三日以前ニ當所迄
入湯ニ参リ候、○御多忙 中トハ存シ上グヘク共
御地聖堂ニ左ノ法帖 摺リモノ旧来ノモノ
アリ、一帖求度ニ付 乍御世話御頼申
上候○晋王右軍 三日月帖蘭亭會
巻物横物ナリ、長サ 一間半モ有之ト覚候、
末ニ晋王右軍ト少シ 大字ニテ王羲之書ト
アリ○明板ト存候、 御多用中ナカナガラ
御求被下、御頼申上候○ 御多用中ナガラ一日
御ヒマ御操合セ當 所ニ御出浮相願候、
先年若津私滞留 中、大キニ世話ニ相成候、
およし殿當時ハ 意何致シ居ラレ候、
久シブリ逢イ度 候ニ付御一同御同行
ニテ御出相願候、 六月廿四日午後
納富甚吉様
机下平信
中林梧竹
87歳
書簡
額
32×125.5
出典:書簡【8017】
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